うどの酢味噌和え
梅の花が咲いてるなぁ、と毎朝散歩をしながら人の家の庭を眺めていて気がついた。昨日八百屋さんに行ったら、うどを売っていた。そうか! 梅の花とうどは同じ季節なんだ。となんだかすごい発見をしたような気になって、発作的にうどを買ってしまった。
んが、うどなんて料理したことない。そういえば母が時々酢味噌和えをやっていたっけ。でもわたしは、うどの強烈な匂いに慣れなくて、ほとんど手をつけたことがなかったんだ。たぶん妹も父も、うどなんてほとんど食べてなかったと思う。母はきっと、誰も食べなくても、自分が食べたいから買ってきちゃ料理してたんだわ。父ちゃんが稼いできたお金を、そうやってささやかにわがままに費やしていたのね。。。
うどの料理が出てくるようなしっとりと高級な店にはほとんど出入りしない。したがってわたしの頭の中にある、うど料理といえば、母がつくっていた酢味噌和えしかないのである。つくるぞ!
たぶん茹でてから酢味噌に和えるのであろう、と見当をつけて、茹でたいと思ったのだが、その前に切らなくちゃいけないんだろうけど、これをいったいどうするのかな?ってな不思議なかっこをしておられる、うど様。
いがいがと毛の生えたところは削げばいいのであろうか。上から剥けばいいのであろうか。よくわからないながら、皮の分厚そうなところは指で引っかけて剥けるだけ剥いてみた。ごぼうみたいになった。それから4センチぐらいの長さにポンポンと切ってみた。で、縦に薄く切って、たぶん、母ちゃんがやってたのとだいたい同じようなかっこになった。
沸いたお湯にざぶんと入れようとして、はたと思いつく。なんとなくアクが強そうである。まっさらの湯で茹でてしまったら、なんとなく色が出てきそうな気配がする。たぶんこの場合は、お酢じゃあないかい? とはなはだしくいい加減にあたりをつけまして、酢をちょびっと湯にたらし、それからうどを入れました。そうですね、5分ぐらいかなぁ。茹ですぎてしまうと“香り”が飛びそうな気がしたので、適当なところでざるに空けました。
あら、“香り”だなんて言葉がスルっと出てくるとは。わたしも大人になったものよのぉ。その昔は“強烈な匂い”としか感じなかったのに。
うどの香りをくんくん、くんくん。ああ、春だなぁ。
うどに酢味噌を和えて、ちょうど冷蔵庫に小ねぎがあったので、トントントンと小口切りにしてパラパラっとかけていただきました。
ところで後からネットで調べたら、うどは酢水につけるだけで茹でなくてもいいらしいです。皮は大根みたいに包丁で剥くのがふつうのようです。