003:「婚活」時代
これほど独身難民の現状を忠実に表した本はない!
とにかく納得!
結婚してもう20年近くも経つ。よくまあこんなに続いたものだと思うが、これはひとえに夫の忍耐に拠るところが大きい。けれどもわたしにもそれなりの自負というものがあって、それは、耐え得る男を見つける力、捕獲する力、育てる力が、このわたしにあったからこそ結婚したのだし、その生活が続いているのだというものだ。屁理屈だと思うなら、それでいいさ。
未婚の頃の夫を思い出してみれば、誰にでも親切な人ではあったが愛情の発露としての親切ではまったくなくて、ただ単に、何も考えなくても体が動く人で、しかも人の頼みを面と向かって断ることのできない性格だったというだけだ。そして、女性心理方面についてはかなりデリカシーに欠ける奴であり、少し話せば「???」な発言が聞かれ、もう少し真面目に話してしまうと怒らずにはいられないような差別発言やら頓珍漢発言やらがいっぱい飛び出た。
今、奴が他の妻たちから羨ましがられるような「イイ人」「優しい人「話のわかる人」であるとするなら、それはワタクシの教育の賜物であるのだからして、夫よ、わたしと結婚し、耐え忍んだ甲斐もあったというものであろう。
でもってわたしは、20代前半は結婚なんてイメージもできなくて、どうでもいいことだと思っていたのが、25歳になって間もなくのある日を境に、「結婚しよう」と思ったクチであって、結婚しようと思って結婚向きの男を探して見つけて捕まえて育てたと言えなくもなく、あれは20年近くも前だったというならどうやらあの頃のわたしがしていたことは「婚活」の走りだったようだ。
その気にならなきゃ結婚なんてしないし、できない、というのは、20年前から社会のある層では常識だった。こういう本が出てきたことをもって、それがこんな風に顕在化したと言えなくもない。
自分はもう結婚しちゃってるし、どうでもいいっちゃどうでもいいようなテーマだったのだが、なかなか面白くて(特に白河桃子さんが書いてるところ)、結局最初から最後まで隈なく読みましたですよ。