018:バカ親って言うな!
私立高校と公立中学で教師をしていた大学教授の書いた本です。
教職や保育士を対象に独自にアンケートや聞き取り調査などをしていて、ここに抽出されたコメントはみな、非常に生々しく、興味深いものでした。ここではモンスターペアレントを5つのタイプに分けています。1)我が子中心型、2)ネグレクト型、3)ノーモラル型、4)学校依存型、5)権利主張型、です。これがまずとてもわかりやすかったですね。それから原因の考察、現在実施されつつある対策、著者の考える解法など、どれもよく整理されていました。
この本の一番の売りは、独自調査にあろうと思います。現場を知っているだけに、対面の聞き取り調査ではポイントをはずさず聴けているのだろうと思われました。
017の『凶暴両親』より、わたしにはこちらのほうが遥かに良書と感じられました。★4.5
追記:ちょっと違和感があると言えば、著者がどこからどこまでも「先生目線」なところ。たとえばですね、重箱の隅を突くようで、自分の小意地の悪さをさらすようで気が引けるのではありますが、p.83を見ると、どんな親がモンスターペアレントになっているのかという記述があり、たとえばの例として、バブル期にジュリアナ東京のお立ち台で踊ってたような母たち、と書いてあって、まあここまで許すとしても、それについて
私個人はもちろん、ああした場所に足を運んだことはありません。それでも、テレビに映し出された光景を見ていると、このような形で脚光を浴びる感覚を味わってしまうのは将来にとってどうなのだろうという疑問を持たざるを得ませんでした。「この人たちがやがて母親になっていったときには、どんなお母さんになるのだろうか?」とも心配していたほどです。
な〜んて、書いちゃってるのだ。何を隠そうわたしはジュリアナ世代です。ジュリアナは大衆臭くてあんまり好きじゃなかったから、2回しか行ったことないけど、代わりにもっと退廃的でお耽美なヤバイとこへ通ってました。芝浦方面とか。そんなわたしからすると、ジュリアナは大変健康的な場所であったし、ああいうところでみんなといっしょに盛り上がれるって、わたしみたいにひねくれた奴より、学校的には御しやすいキャラなんじゃないかと思うわけです。ほとんど一見客のくせに、しっかりお立ち台にも立ってしまいましたが、やってみてわかったのは、あれは別に脚光を浴びるっていうようなもんじゃなくて、巨大な宴会の盛り上げ役だということだ。ムードメーカーみたいなもんだ。みんなといっしょにワイワイやってるだけなのよ。脚光浴びてるわけじゃないことは、やってる本人が一番よくわかってるぜ。行ったこともない奴にこんな風に言われる筋合いはないわな。ほざいてろ、って感じだ。
それにさぁ、この口ぶりが気に入らないよ。「私個人はもちろん」だぜ。「もちろん」。なんで「もちろん」なんだろう? 大学の先生になるような人は「もちろん」行かないよ、そんなとこ、ってことなのか? あの頃わたしと一緒にお耽美退廃の芝浦方面で遊んでた男友だちは、今、某大学で教授やってますけどね。
こういう「先生目線」にはワタクシ、非常に反抗的。