023:孕むことば
ISBN:4838718705
翻訳家・鴻巣友希子さんはエミリー・ブロンテの『嵐が丘』の新訳を手がけた人。この人が30代半ばを過ぎて妊娠、出産し、育児を通じて言葉について考えたこと、思い浮かんだことを自由に書いたエッセイだ。
子どもが言葉を獲得していく過程は面白い。その面白さが、翻訳家という仕事で培われた知識に照らされてさらに面白くなっていて、ただの育児エッセイじゃなかった。育児なんか興味のない人でも、言葉そのものや、人間が言葉を獲得することについて興味があれば、絶対に面白いエッセイだと思う。「ウフ.」での連載をまとめたもの。