027:「炭素会計」入門

「炭素会計」入門 (新書y (193))
橋爪 大三郎
洋泉社
売り上げランキング: 35805
おすすめ度の平均: 4.0
3 アル・ゴアが喜びそうな本であるが・・・・
5 これぞbuilt in stablizer
ISBN:4862482600
 
 炭素会計=カーボン・アカウンティングは、炭素の出入りを監視し、管理するための会計手法でってのはもうタイテイの人が知ってて、じゃ、この本はなんだっていうと、なんで炭素会計が必要なんだ?ってことを書いてるわけだ。炭素会計のやり方が細かく書いてあるわけじゃない。
 よく引き合いに出されているのがアル・ゴアの「不都合な真実」で、あと、京都議定書以降のヨーロッパ諸国の動きとか、最近のアメリカの動きなんかからして、日本も本気にならないとマズイよ、って言ってる。無視できるような話じゃないことはわかる。でも橋爪さん、ちょっと熱くなりすぎてないかしらね?と思ったりもする。乗り遅れてはいけない、というのは実はこの問題に関しては、あまり有効な動機になりえないんじゃないかなと思ったりもする。
 収穫は、なるほど炭素の排出量を全世界的に規制するということになると、統制経済を受け入れなければならなくなるということで、それはやっぱり、今のままの考え方ではムリだろう、ってことからすると、やはり環境問題は思想だの哲学だの、っていう話になるんだなということが、まぁ、納得できたこと。映画「不都合な真実」を観たときには、なんかゴアの巧すぎるプレゼンに乗せられて、そうだよ、そうだよ、って感じだったけど、今度はちゃんとわかったと思う。だけど、みんなが同じ哲学を共有するのは、もしかすると危険なことかもしれなくて、どんな危険があるのかみたいなことについてはほとんど触れられていなかった。だってさぁ、なんか宗教みたくなっちゃったりしないの?と素人としては思ってしまったりもするわけだ。
 とりあえず一番簡単な炭素削減法は、車を手放すってことだ。ウチはすでに実行済み。