033:脱世間のすすめ

脱世間のすすめ
脱世間のすすめ
posted with amazlet at 08.07.17
山田 史生
祥伝社
売り上げランキング: 179153
おすすめ度の平均: 5.0
5 漢方薬みたい。
ISBN:4396613091

 古文とか漢文とか(あと政経や倫社)、ほぼ受験に無関係の科目ばっかり好きだったひねくれ者のわたし。だいたいそういう科目は、個性的な先生が多いのだ。漢文の先生もヘンだった。授業中、朗々と詩吟を唸り続けるのである。まるで一人カラオケを聴かされているようなものである。進学校だったから、そういう授業の間はクラスの半分が居眠り、残り半分が英語とか数学とか他の科目の勉強をしてたみたいだった。そんな中で、まじめに(笑)教科書を開き、詩吟に聴き入っていたわたし。
 しかし、あの漢文の先生は、五言絶句だとか、なんかそういうのがお好きだったようで、だから不肖の弟子としては高校の間に『唐詩選』ならほぼ全部、覚えてしまうぐらい読んだりしていたのだけど、中国思想系は手薄だった。
 これは主に荘子の思想を、解釈したもので、ほぉなるほど! あ〜そうか、こう考えれば楽だなぁ〜!!っていう人生訓みたいなのが、いっぱい載ってた。それにかなり笑える。
 今までわたしはなんとなく老子のほうが仙人みたいでカッコいいなぁと思っていたのだけど、世間にまみれつつ、ぬくく飄々と生きる荘子のほうが、この歳になってみるとステキじゃん、と思う次第である。