068:地域保健活動のための発達障害の知識と対応

地域保健活動のための発達障害の知識と対応〜ライフサイクルを通じた支援に向けて
平岩幹男著、医学書院、2,520円(税込み)
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=62871

 これもまだアマゾンには出てないね。(版元から買うと、送料がかかっちゃうからなあ)
 保健師さん向けに、発達障害についての理解を深めるために書かれた本です。著者は行政の立場で長く地域保健活動に関わってきた精神科医で、専門が発達障害です。
 いま保健師さんの世界では発達障害への対応を迫られて大きな課題になっているわけですが、どうも漏れ聞く話によれば、いかに早く発見し、行政の用意した受け皿に載せるかということばかりに目がいっているようにも見えます。著者のこだわりポイントは、3歳児健診でどうやって見つけるかっていうことだけじゃないですよ、発達障害をずっと抱えて生きていく人のライフステージを見渡しながらのケアが継続的に行われることが大切なんですよ、ということにあります。はしごを外すほうは簡単ですが、はしごを外された人はどうなりますか? そういうことに想像力をちゃんと働かせてくださいね、ってことです。
 知能検査の問題とか、あ〜全然知らなかったなあ〜ということがいろいろ書いてありました。地域の保健師さん、他の対応もいっぱいあって大変だと思いますが、ぜひとも読んでほしいです。