082:将棋の子
将棋の子 (講談社文庫) | |
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奨励会からプロへと上がるには三段リーグという厳しいリーグ戦を勝ち抜かなければならないそうです。しかも年齢制限があります。中学、高校で学校教育を離れ、将棋一筋で生きてきた若者たちがこの年齢制限の壁にぶち当たって社会へ放り出される。将棋への思いと挫折と。そこへ社会の厳しさが追い被さる。
このノンフィクションは、奨励会を去って行った青年たちのその後を追った作品です。その生き方はさまざまで、折り合いの付け方もさまざまで。棋界に限らず、人の数だけドラマというのはあるものですが、ここは大崎さんの彼らへの愛情がさらに彼らの人生を豊かに描き切っているなと感じさせてくれました。「豊かに」と書いたけれども、彼らの人生が一般的な意味で「豊か」だとは言えません。言えないのだけど、一生の心の支えをもつ人たちのことが、うらやましくはある。
将棋、マイブーム。来年から少し勉強してみるです。