006:奇跡の脳
奇跡の脳 | |
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神経解剖学者が左脳の卒中から回復し、言葉を再獲得してから書いた本。発作中の描写が非常に細かくリアルで、当事者が感じていることが書かれているので驚きつつも参考になる。右脳支配下で何をどう捉えるようになったかという話はとても興味深い。人間の脳の潜在能力を垣間見る気がした。これは希望とも言えるのではないかと思う。この知見をもとに、脳の働きがもっとよく解明されていけば、さまざまな病気の捉え方が変わるだけでなく、人間そのもの、人という存在に対する理解の仕方、世界観も変わるのではないかと思う。
作り話みたいだとか、宗教みたいだとか、そんな批評をしても全然意味はないと思う。だってこの人はこのように感じ、世界をこのように捉えるようになったのだ、と書いているだけなのだから、そうではない人間がどう批判したってまったく的外れなんじゃないかと思う。そうじゃない人がどうやって否定するのだ。わからないことはわからない、すごいと思うのならすごい、と言えばいい。で、わたしはすごいなと思うのですごいと書きたいと思います。これを書いた人もすごいんだけど、人間の脳というものもすごいと思う。