057:看護に生かすバイオエシックス―よりよい倫理的判断のために
看護に生かすバイオエシックス―よりよい倫理的判断のために | |
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バイオエシックスに触れる諸問題を現場で解決しようとする場合(というか、現場では、解決しなければならないケースを避けるわけにはいかない)、チーム医療の必要性が非常に高まるのだが、ここで取り上げられている事例のいくつかにも言及がみられる。ただ、必然性がいまひとつ希薄な感があった。一人で考えてもわからないからみんなで考えよう→チーム医療、みたいな図式に読める事例もあり、いったいこんなことでいいのだろうかと思わずにはいられなかった。
左上から時計周りに、「医学的適応」「患者の意向」「周囲の状況」「QOL」の四象限をつくり、ポイントを抜書きしていく方法が紹介されている。2004年発行ということからすると、わりと早かったのではないかとは思う。
事例は、周産期・小児看護、成人看護、高齢期看護、ターミナル期看護に分類されていて、この部分はそれぞれの科を専門とする看護師が執筆。木村利人氏は冒頭から3分の1ぐらいまでの「バイオエシックスの基礎」という章を執筆。
事例を分野別に書き出しておく。
- 周産期・小児
- 成人期
- 高齢期
- 老人病院の痴呆性高齢者の身体拘束
- 在宅介護を受ける高齢者と介護に疲れた家族
- 片麻痺の夫を心配するあまり、自己退院した高齢者
- 在宅介護の息子による虐待の可能性への対応
- リハビリや介護中心の施設への転院を拒む患者
- ターミナル期
- 患者と家族のセデーションに対する想いの違い
- 自宅に帰る機会を失った患者と家族の怒り
- 一般病棟へ入院し偽りの化学療法を受けたがん末期患者
- 理由を説明されることなく転院させられた末期患者