103:骨盤臓器脱―QOLを高めるために (40歳からの女性の医学)

骨盤臓器脱―QOLを高めるために (40歳からの女性の医学)
骨盤臓器脱―QOLを高めるために (40歳からの女性の医学)高橋 悟

岩波書店 2008-12
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 「40歳からの女性の医学」という一般向けシリーズのうちの1冊。「骨盤臓器脱」はあまり聞き慣れない疾患名だが、推定で全女性の約1割(40代以上ならさらに高率のはず)がかかっているのではないかと言われている、実はかなり罹患率の高い病気だ。骨盤内にあるべき子宮や直腸などの臓器が膣を通して落ち込み、膣壁とともに外に出てしまう病気で、尿失禁、痛み、出血といった症状が現われる。落ち込んできた臓器によって膣が圧迫されることで性行痛を訴える患者もいる。重い場合には手術適応。というようなことが、ふつうの女性にもわかりやすくコンパクトにまとまっていて読みやすい。他にこの病気についての一般向けの本は出ていないので、思い当たることがあればぜひ読んでみることをお勧めしたい。
 原因はおもに、支持組織の老化だが、出産時や排便時のいきみ、それから介護労働などで過度の腹圧がかかることも影響する。したがって看護職や介護職に特に多い。