001:New実践!ナースのための看護記録
まーいきなり仕事で読んだ本から始めるっていうのもナンだけど。考えてみれば、看護系月刊誌のレビューページで毎月5冊、一般向けの新書レビューで毎月3冊は、仕事で最低でも読んでいるわけなので、年間それだけで96冊いってしまうわけだ。100冊ってあまりにも自分に甘いかも。。。あとで直そう。150冊? んー、無理そう。。。130冊? そんなもんかな。
で、これは看護系雑誌でレビューを書くために読んだ。増補改訂版である。正直言ってこの本を読むまでは、看護記録ってただの記録だと思っていた。ただの記録になぜあんなにナースたちが悩むのか、よくわかっていなかった。
けど、ただの記録じゃないんだよ! びっくりしたよ!
的確な記録があって、看護診断がつき、看護計画が立つ。在院日数短縮だよだからクリティカルパスだよ、って言う前に、看護記録がちゃんとできていなくっちゃ話にならない。電子カルテ化で世界共通の話法がここ数年で浸透してきた。NANDAとか、NOCとか、NICとかいうやつだ。NANDAってなんだ? まじ、「ナンダ」って読むんですよ、この言葉。で、なんだというと、アメリカで開発された看護記録のための、なんというか、言語みたいなものだ。SOAPとか、POSとかも全部、看護記録に関係している。
看護記録はつまり、すごい重要。看護の基礎になるもの。これがちゃんとできなきゃ、手技があれこれ上手にできてもケアの見通しがうまく立たず、最悪のことになると、なんらかの徴候がとらえられていて記録され申し送りがされていれば急変の予測ができたはずだし、すぐに対処できたはずだったのに・・・ということになって患者はもしかすると死んでしまうのだ。
看護という営みのすごさにここ数年、圧倒され、また魅了されて、看護関係の取材・執筆・編集仕事にがっついて取り組んでいるわけだが、またこの本にもびっくりさせられた。
この本は、看護学生や臨床看護師のための、いわゆる実用書、学習書なのだが、読むほど深い。もっと知りたくなる。看護のハウツー書のすごさってこういうところにあるというか、こうやって、ああやってこうやればうまくいきます、だけじゃないんだな。看護実用の良書は、技術を押さえつつ、その基礎となる考え方、医療の歴史みたいなものまで伝えていく。読んでみてよかった。