050:いのちとこころを救う災害看護

ISBN:4051530019

 これまで災害看護本は、実際の大型災害に現場に入った看護師らによるルポ形式のものを何冊か読んだことがあったが、この本は後半にいくつか、ケーススタディとしてそうしたルポ的なものが載っているけれども、もっと基礎的な、どんな災害だと被災からどのぐらいの時間でどんな疾病が出てくるかとか、活動にあたって必要な法律的な知識とか、そういうノウハウがちゃんと系統的に書かれている。
 以前、20代の病棟経験数年の看護師に話を聞いたとき、現場がいま窒息しそうに大変な状況だからなのか、自分が何のために働いているかはっきりわかるような仕事がしたい、と言って、その代表例として災害看護を挙げていた。実際はそんなに簡単なもんじゃない。そんなことは本人もわかってるんだろうなぁ。でもやりたいなら、こういう本をちゃんと読んで勉強してから行くべし。