079:日本の賃金

日本の賃金―年功序列賃金と成果主義賃金のゆくえ (ちくま新書)
日本の賃金―年功序列賃金と成果主義賃金のゆくえ (ちくま新書)竹内 裕

筑摩書房 2008-11
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 前のエントリーの続きのようになってしまいますが、会社から支給される給与というものは、守らねばならない生活が人一人の分であるうちは、その額自体にはたいした意味がなかったりするものです。なんて言うと、おまえはバブル世代だからなーと、たぶんid:zunse9623あたりに言われるんですが、自分一人であれば、とりあえず喰っていけるなら、ま、いっかーという考え方も許容できるわけです。だけど結婚して、結婚するだけならあっちも稼いでいるならたいした問題が生ずるわけじゃないけれども、子どもができて、それも中学生高校生となってくると、家族を維持するためのお金が必要になってくる。当たり前のことだが、いまみたいに毎年給与が年俸契約で改定されたりすると、案外当たり前でもないのかもしれない。
 賃金のシステムをどのようにするのが適正かという本です。日本の企業を基準に考える方法をいっしょに探ろう、という本。わたしなんかはまったくの門外漢ですが、面白く読めました。何がって、なんかこう、経営者という仕事の面白さの一端を覗き見ることができたような気がするからです。国をつくっていくのも同じなんだろうな。お金の配分のしかたで、人が変わっていく。どんな組織にしたいかでお金の配分のしかたも変わる。生き物だなぁと思いました。