109:ベーシックインカム入門
ベーシック・インカム入門 (光文社新書) | |
山森亮 おすすめ平均 広く浅く、ベーシック・インカムという考え方を横断する試み 生きていることの対価とは? 労働観が変わりそう 面白いけど実現可能なの? 待望のBIに関する新書 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
数年前、アマルティア・センのことを人から聞き、ちょっと読んでみたことがあるのだけど、その時は、なんかすばらしい思想のように思えることは思えたのだが、実際のところはわたしの頭にとっては高度すぎてよくわからなかった。経済学らしいが、思想であり哲学であった。
そういうわたしには、この本は読んで良かったです。いきなりセンを読むより、こっちから入ったほうが絶対に理解度が違うと思います。まさに「入門」です。
この本を読んだことをきっかけに、これからわたしもいろいろと考えていきたいなと思うんだけども、まず、労働とは何かということだね。これは自分自身にとっても非常に大きな問題だ。あと、生きるということ、個人と国家との関係についても考えてみたい。
月々15万円ずつ国が振り込んでくれる、っていうのはそりゃさ、ありがたい話なんだけども、それはいったいどういうことなのか。労働の自由度は増える。だけど、それなら直接税を上げなければ制度が維持できない。そう楽しく金を使える社会ではなくなるかもな、と思う。
非常に卑近な話をすれば、ただ生きているだけで誰かが15万円ずつ振り込んでくれたらわたしは働くだろうか、ってやっぱり考える。働くだろうな。でもやりたくない仕事はもう引き受けなくなるだろうな。だってとりあえず生きていけるもの。だけども、ちょっとムリをしてこそ得られるものってあるし、自分が想像できる範囲なんて限られていて、やりたくない仕事、などと決め付けて拒否した仕事の中から何かが生まれる可能性だってある。それをみすみす捨てちゃうわけだ。どうなの?