004:病の神様

病の神様―横尾忠則の超・病気克服術 (文春文庫)
病の神様―横尾忠則の超・病気克服術 (文春文庫)横尾 忠則

文藝春秋 2009-03-10
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 ムチ打ちとか、飛蚊症とか、動脈血栓とか、喘息とか、軽重いろいろ病気と怪我の巣のような人ですが、なんかこう、この人の場合は、何が起こっても悪いことにはならないという感じがします。本人がそう感じているのだから、きっとそうなんです。妙な納得の仕方をしているのですが、この人のすごいところは、その妙さを正直に書いてしまっているところです。変な人だと思われるから、少しそんなことを考えてもふつうは書かないですよ、というようなことを書いてしまっております。
 わたしもけっこう病気がちなほうで、入院も何度かしているし、危うく死んでしまうかもしれないところでした、などということもそういえば5年に1回ぐらいは起こっているような気がするのですが、不思議と、これを特別に悪いこととは感じていません。何かに見舞われるたびに、何か考えたりなんかして、それなりに自分で新たなものを発見してきているような気がするのですね。しかもそういう発見は、病気にならなかったら得られなかっただろうなと思われるものばかりです。なので、健康なばっかりが経験ではないのだよ、とわたしは健康信奉者たちに言いたい。ひたすら健康な人には決して到達し得ないであろう、病者の境地というものがあるのですよ。お前らだけがエライわけじゃないんだよ、と。負け惜しみに聞えるんだろうな。ふっ