010:天璋院篤姫(下)

新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫 み 9-8)
宮尾 登美子
講談社
売り上げランキング: 401
おすすめ度の平均: 4.5
5 江戸城大奥から見た幕末史そして歴史小説の醍醐味
5 天璋院の圧倒的格調高さに敬服。
4 この時代に生まれなくてよかった
4 上巻と同じく、女流作家ならではの感覚が見事
5 完結!
ISBN:4062756854

 慎吾の新撰組以来、久しぶりに今年は大河ドラマを観ているので、ちょっと気になって読んでみたのだが、ドラマのほうが断然面白いから、これは別に読まなくてもよかったなぁ〜。
 宮尾登美子は確か、『蔵』と『鬼龍院花子の生涯』を読んだことがあったが、好きとも嫌いとも別にたいした印象はなく、まあ嫌いじゃなかったので今回も読んでしまったわけだが、これ、読んでちょっとなぁ〜と思った。こういう資料の少なそうな人物を書くのは大変なことだろうと思うし、労作であったことは認めたい。が、ほんとにほんとに些細なことかもしんないけど、この人の書く文章が、わたしは嫌い。
 たとえば「というのも、」で始まる文章があったら、それは前の文章を受けて理由を説明するものになるはずなのだから、受験国語世代としては「〜だからだ」とか、理由ですよということがわかるような結びになるはずじゃないのかと思うわけだ。ところが『篤姫』に頻出する「というのも、」はほぼ例外なく「〜だ」で結ばれていて、まぁ、平たく言うと、気持ち悪いったらない。これがワタクシの文体ですのなら、1世代前っぽくてつまんないなー。たぶんもうこの人のは読まないなー。

 あとわたしは、ドラマのほうに出てくる肝付尚五郎(瑛太)が好きなんだけども、小説には全然出てこなくって残念でした。そういう意味でもドラマのほうが魅力的だったのでした。