107：イギリス型の真実
イギリス型<豊かさ>の真実 (講談社現代新書) | |
 | 林 信吾 講談社 2009-01-16 売り上げランキング : 66673 おすすめ平均  ほとんど社会主義と資本主義が拮抗していますな。イギリスの政策から、日本の現状を考えるイギリスの生活と福祉の実態がわかる本Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者自身、イギリス在住経験があるらしい。イギリスの近年の政治状況と、庶民の生活を突合せながら、格差や貧困といった問題の背景というか、解決策の一端を示そうとしているようにみえる。が、そんなに難しいことを考えなくても、イギリスで家庭を持っている日本人女性の家計費の詳細などが載っているので、非常に具体的でわかりやすい。
日本の税制度とイギリスの税制度の比較検討がもう少し丁寧に、明確な数値を挙げてなされていたら、ショッキング度がぐんと上がったようにも思う。
簡単に言ってしまえば、イギリスと日本は一人あたりの税負担の水準がそれほど違わないのに、あっちは教育コストも安いし、医療費に至ってはNHSでだいぶ待たされることを覚悟できるならたいていのことが無料で済む、という話だ。なぜなんだ？と思うだろうが、つまるところ、あっちでは政治家がちゃんと政治らしいことをしているからみたいだ。いや著者はもっとちゃんとこの辺のことを書いていらっしゃるのですが、ほんとに簡単にまとめてしまえば、なんで日本の政治家は政治っていう本業をやっていないのかね？ってことなんじゃないでしょうか。
