精神保健福祉法

 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」という。このうち第32条に定められている通院医療費国費負担の条項が改正(=患者にとっては「改悪」)されようとしている。

 現在、精神病患者はこの条項によって、申請をすれば自費負担5%で通院ができる。薬代にも適用される。わたしもうつ病の治療にこれを適用してもらっている。病気の重いときには働けない→金がない→病気が重いから通院間隔が短くなる→病気が重いから薬が増える→さらに貧乏になる→不安になる→病気が悪くなる、という循環が成り立つ。だから、特に病状の悪いときにはこの制度にずいぶん助けられた。

 うつ病がひどかったときのこと。最初1種類2錠/日だった抗うつ剤はいつの間にやら3種類を何錠も飲むようになっており、「眠れない」と言ったらそれにさらに睡眠導入剤が出て、「動悸がする」と言ったら精神安定剤も出た。あの頃、わたしはいったい一日に何錠の薬を飲んでいたのだろう。おかげでひどい便秘になり、「便秘がつらい」と言ったら今度は下剤が出た。

 精神科は多剤処方が当たり前のようになっている。こんなやり方をしているのは日本だけだと聞く。支援費だの、32条改正だのと言う前にやるべきことは他にあるのではないか。

第4節 通院医療

(通院医療)
32条 都道府県は、精神障害の適正な医療を普及するため、精神障害者が健康保険法第63条第3項各号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局その他病院若しくは診療所(これらに準ずるものを含む。)又は薬局であつて政令で定めるもの(その開設者が、診療報酬の請求及び支払に関し次条に規定する方式によらない旨を都道府県知事に申し出たものを除く。次条において「医療機関等」という。)で病院又は診療所へ入院しないで行われる精神障害の医療を受ける場合において、その医療に必要な費用の100分の95に相当する額を負担することができる。
2 前項の医療に必要な費用の額は、健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例によつて算定する。
3 第1項の規定による費用の負担は、当該精神障害者又はその保護者の申請によつて行うものとし、その申請は、精神障害者の居住地を管轄する市町村長を経て、都道府県知事に対してしなければならない。
4 前項の申請は、厚生労働省令で定める医師の診断書を添えて行わなければならない。ただし、当該申請に係る精神障害者精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているときは、この限りでない。
5 第3項の申請があつてから2年を経過したときは、当該申請に基づく費用の負担は、打ち切られるものとする。
6 戦傷病者特別援護法(昭和38年法律第168号)の規定によつて医療を受けることができる者については、第1項の規定は、適用しない。
7 前各項に定めるもののほか、第1項の医療に関し必要な事項は、政令で定める。

(費用の請求、審査及び支払)
32条の2 前条第1項の医療機関等は、同項の規定により都道府県が負担する費用を、都道府県に請求するものとする。
2 都道府県は、前項の費用を当該医療機関等に支払わなければならない。
3 都道府県は、第1項の請求についての審査及び前項の費用の支払に関する事務を、社会保険診療報酬支払基金その他政令で定める者に委託することができる。

(費用の支弁及び負担)
32条の3 国は、都道府県が第32条第1項の規定により負担する費用を支弁したときは、当該都道府県に対し、政令で定めるところにより、その2分の1を補助する。 

32条の4 第30条の2の規定は、第32条第1項の規定による都道府県の負担について準用する。