べてるの家の講演会

 at津田塾大学。講演者は、臼田周一さん、伊藤知之さん、向谷地生良さんの3人。14時から約2時間。わたしは大学時代の恩師・草津攻先生と並んで最前列で聴きました。

 べてる関連の本を読んだだけではわからなかったことが、臼田さん、伊藤さんの様子を見て話を聴くことでずいぶんわかったような気がします。病者同士がどのようにしてコミュニケーションをとっているのかが、わたしにとっては最大の謎だったのだけど、言語化しにくい感覚をどう人に伝えていくかということを彼らはいつも考えているようでした。義務としてではなく、楽しいからそのことをいつも考えようとしているように見えました。

 言語化していくという作業は、精神病を患う人にとって非常に重要な意味をもつと考えます。言葉として発することによってコミュニケーションを顕在化させ、また自分に巻き込まれずに自分を見る目を持つことができるようになる。ただ、どうなんだろう、病識がないと意味がないのかなぁ。。。そのへんがまだわたしにはよくわからない。

 伊藤さんがやって見せてくれた「ブロックサイン」がなんとも良かった。幻覚、幻聴でなんかイヤな感じに包まれそうになったら、親指を立てて周囲から自分をブロックするんだそうです。他のメンバーは、ブロックサインを見たら、ちゃんと君のことを見てるよ、サインをキャッチしたよ、ということを示すために、同じく親指を立てて合図します。

 自称“総合”失調症の臼田さんは、べてる流の降りていく生き方で、居場所と行き場所を見つけたと訥々と語っていました。居場所は“安心”であり、行き場所とは“やりがい、希望”だとも語っていました。